こんにちはつよぽんです
熱燗の話の続きです。
最近は冷した日本酒ばかりですね。
前回の日本酒の会で飲んだ日本酒です。
こうしてできた上澄みを杉樽に入れる。
昔は壷に入れて、腐りかけると杉の新芽を漬ける。
杉はフーゼル油という油脂を持っている。
杉のヤニなのだが、このフーゼル油は防腐作用を持っている。
だから、昔の酒屋は杉の新芽をたくさん用意してあった。
>杉の葉にこんな成分が含まれているのを知っていたのですね。
奈良県の大神神社という酒の神さまを祀る神社は、杉の新芽でつくった玉を売っている。
昔、酒屋はそれを買ってきて、酒が腐りかけると、漬ける。
すると元にもどる。
その杉を束ねたものを酒林(さかばやし)と呼ぶが、酒屋には昔、それを門口に吊ってあった。だから酒林が吊ってあると、「あそこは酒屋だ」と分かるわけで、これが日本の看板の元祖である。
このフーゼル油は、レモンの皮にも含まれているが、結局、運搬するときの樽を杉で作ればいいから、江戸時代になって酒樽は杉樽になった。
日本人は杉を建材に使ったせいもあるが、杉のフーゼル油が染み込んだ酒の匂いを樽酒と言って喜ぶ。
>樽酒の匂いはフーゼル油だったのですね。
江戸まで運んでいった酒を“下り酒”、それを上方に持って帰ったのが“戻り酒”、江戸まで馬の背に積んで揺られて酵熟した酒がもう一度、東海道五十三次を戻ってくる。
この戻り酒が非常に高い。
なぜかというと、結局、杉の木のフーゼル油の香りが、全体に程よく広がって酵熟しているからだ。
>冷蔵していないのにフーゼル油で腐らないのですね。
だが実をいうと、フーゼル油というのは揮発性の油で、これを摂取すると脳神経を犯されて頭が痛くなる。
世界中の酒で、飲む前に温めるのは、中国の一部の酒と日本酒だけである。
日本酒をお燗するのは、このフーゼル油を揮発させるためである。
>昔の人はすごいですね!
冷たいままで飲むと頭が痛くなったりする。
にもかかわらず、この杉樽の香りを好んで、高いお金を出して飲むというのだから、変わっているといえば、変わっている。
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