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>色々な食品に入っているのですね。
成人1日に必用なリン摂取量は約1000mgです。有機リンを含んだタンパク質を摂取することで、十分リンも摂取できています。ところが最近は、無機リン酸の摂取が増加し過剰摂取となるのです。
リンは小腸で吸収されますが、有機リンと無機リン酸は、体のリンの吸収効率が違うのです。
植物性有機リンの吸収率は20~50%、動物性有機リンの吸収率は40~60%と言われていますが、無機リン酸は100%吸収されます。
従って、私たちはリン過剰摂取になるのです。
残念なことは、食品添加物は、条件によっては表示義務がないため、実際私たちのリン摂取量が明確に分からないのです。
2009年の国民健康栄養調査では、日本人リン摂取量は、男性は平均1043mg、女性は平均908mgと報告されています。
ただし、この調査では食品添加物のリンの量は加算されていませんので、実際のリン摂取量はこれより多いと思います。
1990年初頭、平均的なアメリカ人は食品添加物から1日約500mgのリンを摂取していたと言われていますが、最近は1日約1000mg摂取していると言われています。
この原因は、食文化の変化、つまり加工食品、缶詰、清涼飲料水やファストフードの摂取量が増えたためと指摘されています。
リンの約60%は腎臓から尿として、残りは腸から便として排泄されます。
そのため血清リンの正常値は、2.5~4.5 mg/dLの正常範囲で維持されています。
腎機能が障害されるとリンの尿中への排泄が低下し、高リン血症を認めます。末期腎不全では血清リン酸値の上昇に伴い、心血管疾患発症リスクの増大も報告されています。
ところが最近、腎臓病患者だけでなく、健常者においても、血清リン酸の濃度と心血管疾患発症リスクの関係が報告されました。
従って、リン過剰摂取による健康への害が懸念され始めたのです。
では、リンを過剰摂取すると何が起こるのでしょうか?
以前から、リンを過剰に摂取すると、高リン酸がカルシウムの吸収を阻害し、骨からカルシウムを流出させ、骨密度が低下し、骨粗鬆症の原因になることは考えられています。
最近、私たちは高リン酸が老化を促すことを発見したのです。
テキサス大学の黒尾誠教授と京都大学鍋島陽一名誉教授が発見したKlotho遺伝子は、抗老化遺伝子として注目されています。Klotho遺伝子を欠損したマウスは短命であり、皮膚、性殖器や筋肉の萎縮、肺気腫、骨異常、大動脈や全身の石灰化など、様々な早発性老化を認めます。
>研究が進むと色々なことが分かってきますね。
Klotho遺伝子を欠損したマウスは、血清のリン酸値が非常に高く、私たちはこの高リン酸が老化の原因と考えました。そこで、このマウスに遺伝子操作や食事療法を行い、リン酸値を正常化させました。
驚くことに、このマウスの早期老化様病変がほとんど改善したのです。
次に、高リン酸の食事を与えると、老化様病変が元に戻りました。従って、リンの過剰摂取は老化を促進することが考えられます。
忙しくて、ついついファストフードや加工食品に頼りがちな私たちの食生活ですが、この話をきっかけに、自然の食材を使ってお料理をしてみましょう。
>加工食品を少なくする努力はするべきでしょう。
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